【書評】「占領軍の歴史洗脳」を剔抉した労作
◆戦後の歴史観はこうして“作られた” GHQは、占領直後から民間検閲支隊(CCD)を通じて、あらゆる情報ソースの検閲体制を敷き、厳格な情報操作を行った。 本書は、米国・メリーランド大学プランゲ文庫に保存された検閲史料のうち、約13000種の雑誌について丹念に検証。その内容は、単に大東亜戦争についてのみならず、明治維新や日露戦争の意義を否定し、欧米による植民地支配批判や東京裁判批判をも封じ込めるという一方的なものだった。 私たちが「忘れさせられた」歴史とは何か。戦後世代の著者の手で明らかにされています。
序 本書を江湖に薦めるの辞 ―小堀桂一郎 まえがき 「大東亜戦争」の抹殺と「太平洋戦争」の強制 序章 東京裁判の検閲 裁判開廷まで/検察側立証段階/弁護側反証段階/判決とその波紋 第二章 東亜解放への道 「東亜解放」の理念をめぐって/十六世紀スペイン・ポルトガルによる征服と奴隷化の実態/秀吉の朝鮮出兵と十七世紀オランダの植民地支配/鎖国日本と十八・十九世紀イギリスの植民地支配 第三章 明治維新の世界史的意義 東亜独立の最後の砦・日本/明治維新こそ東亜解放の序曲であった 第四章 明治日本と支那・朝鮮 十九世紀中葉の日本と支那・朝鮮/「脱亜入欧」のもたらしたもの/東亜解放の魁・頭山満と金玉均/日清戦争と東亜解放 第五章 アメリカの太平洋進出と日本 ハワイ併合の悲劇/フィリピンの領有/門戸開放宣言 第六章 日露戦争の与へた影響と韓国併合 日露戦争の与へた世界的影響/岡倉天心とヴィヴェカーナンダ、タゴール/日韓併合―挫折した東亜解放の「一着手」 第七章 “ 協調”から“対決”へ 大東亜戦争の遠因となつた人種問題/「アジア・モンロー主義」の実現を阻んだもの/共産主義への対応―対照的だつた米国と日本 第八章 満州を巡る諸問題 満洲権益と対華二十一箇条要求/ワシントン体制の破綻と満州事変の背景/石原莞爾と満州国建国の理想 第九章 大アジア主義と支那をめぐる相剋 国際連盟脱退から大アジア主義へ/広田外交の破綻と支那事変勃発の真因/尾崎・ゾルゲ事件と「東亜新秩序」/近衛文麿と日独伊三国同盟締結/「大東亜共栄圏」仏印進駐と東亜解放 第十章 日米交渉と開戦の経緯 日米交渉と東条英機内閣の成立/ハル・ノートと日本人強制隔離問題/開戦の詔書をめぐつて/大東亜戦争と東亜解放/「自存自衛」から「東亜解放」へ/大東亜会議と大東亜共同宣言 第十一章 後に続くを信ず 神風特別攻撃隊の悲劇と栄光/硫黄島・本土空襲・沖縄戦/原爆投下とソ連参戦
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