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竹本忠雄 アメリカ人への手紙

それから半世紀、日本の自己喪失をいいことに、「南京」の旗印を掲げての謝罪要求活動は、いまやビジネス化した。昨年12月、大挙して来日しフォーラムを開いた反日多国籍軍団の先頭には、日本人も含めて弁護士がびっしりくっついている。
しかし、あなたがたが、偽書製作から70年余りのちの「南京のレイプ」断罪運動でやっていることは、依然として人種偏見も甚だしい反日主義運動の蒸しかえしにほかならないと知るべきである。もっとも、「マサダの砦」以後二千年間も続いた反ユダヤ主義の醜行に比べれば、まだまだ始まったばかりともいえるが。

一方で「誇大の罪悪を言い立てて際限もなく金を揺すり」(AFP特派員、A・スムラー氏)、他方で世界の場で道義的ダメージをあたえる――現代中国の対日「南京」作戦は、この二面で遂行されている。中共政府肝入りで『ラーベの日記』の映画化が進められているごときも、その例である!

我々としては、また、こうも言いたい。ラーベが「南京のシンドラー」だというなら、実際に何千人ものユダヤ人を救ったリトアニア領事、杉原千畝は、何と呼んだらいいのか、と。しかも「スギハラ」は日本では一人ではなかったのである。

最後に、もう一言。以上の論述は、中国の「孫子」以来の兵法のスキームに重ね合わせてみれば、いっそう真実を明瞭に暴くだろうということである。

中国にとって「南京」は、元来、日中間で論じられるべき問題を、あえて「遠交近攻策」により、アメリカを味方に引きこみ、日本を抑えこもうとして仕組んだ大芝居の序曲であることは言うまでもない。そのもくろむところは同盟国たる日米離間であり、アメリカという異国をもって日本という異国を制する戦略は、「以夷制夷」と彼らが呼びならわしてきたお家芸にほかならぬ。

同様に、南京を言い立てることは、ガス室からヒロシマに至る西欧の罪禍を希釈するうえで、一石数鳥の妙案でもあるのだ。だが、その場合、自身にとってのチベットと天安門は、どうなるというのか。

思わず、我々の声も高くなった。戦後半世紀あまり、何を言われようと、それを原則として頑に沈黙を守り続けてきた我が国政府の外交姿勢に幻滅してのゆえと、ご理解願いたい。

犯人は誰か。日本は有罪か、冤罪か。
それを決するのは、陪審員席のアメリカ人の皆さんなのである。

※「やすくに」第541号・平成12月8月1日

【日英バイリンガル】再審「南京大虐殺」-世界に訴える日本の冤罪


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HE ALLEGED ‘NANKING MASSACRE’ Japan’s rebuttal to China’s forged    claims