建武中興—後醍醐天皇の理想と忠臣たちの活躍
けんむのちゅうこう/ごだいごてんのうのりそうと ちゅうしんたちのかつやく
久保田 収(くぼた おさむ)/著
定価 本体1,600円(税込1,760円) ISBN 4-944219-28-8 判型・頁数 四六判・312頁 発売 2004年9月 |
元弘三年、後醍醐天皇は鎌倉幕府を倒し、天皇親政に復されました。翌年、元号は「建武」と改められ、次々と革新的な政治が行われます。武家政治の再建を目指す足利尊氏の謀叛により、この親政は僅か三年で潰えてしまいますが、後醍醐天皇の理想と、それに応えんと決起した楠木正成ら忠臣の奮闘は、長い年月の間、人々に鮮烈に記憶され、やがては時代を明治維新へと導きました。
昭和四十年代に出版された本書は、名著として高い支持を受けましたが、久しく絶版になっており、偉業を偲ぶとともに、現代的な意義を明らかにすべく、新たな写真や解説を加え、装いも新たに復刊となりました。
推める詞 小堀桂一郎
解説 平泉隆房
中興の運/上代盛時思慕/人材の登用/諸道の再考/記録所の復活/意欲的な政治
正中の変/元弘の変/苦難重畳/隠岐の小島/大塔宮と楠木正成/鎌倉幕府滅亡
足利高氏の奉行所/天皇の還幸/征夷大将軍の問題/文武の一致/御家人の号
記録所の再開/恩賞方と雑訴決断所の設置/武者所の再興/窪所の問題/大番の制/政治推進の中心機関/国司の任命/中興時の国司の性質/方針徹底の困難/中興時の守護
関所の停止/商業の保護/貨幣の鋳造と紙幣発行/奢侈の禁止/五山の制/大社の政治的・経済的独立/所領の安堵と徳政の実施
高氏の勢力/反高氏運動/中興の瓦解/武士たちの心/高氏の叛逆/高氏の京都占拠
吉野潜幸/京都攻囲策/再度の計画/後醍醐天皇の崩御/南風競わず/南北合一
太平記の流布/中興研究の進展/楠公崇拝/明治維新と中興関係神社の創建
建武中興関係 年譜・皇室系図
あとがき 三輪尚信