蒋介石神話の嘘—中国と台湾を支配した独裁者の虚像と実像
しょうかいせきしんわのうそ/ちゅうごくと たいわんを しはいした どくさいしゃの きょぞうとじつぞう
黄 文雄(こう ぶんゆう)/著
定価 本体1,500円(税込1,650円) ISBN 978-4-944219-70-4 判型・頁数 四六判・316頁 発売 2008年3月22日 |
戦後多くの日本人は、蒋介石を「東洋道徳の権化」のごとく考えてきた。「天皇制を護持してくれた」「対日賠償請求権を放棄してくれた」「支那派遣軍と在留日本人を無事に送還してくれた」云々。今も年輩者の間では、蒋介石は「徳を以て怨に報いた」と信じられている。
しかし、これらの蒋介石神話が半ば虚偽であったことは、既に明らかにされている。蒋介石の幕僚は、天皇を戦犯リストに加えているし、蒋は日本へ賠償を要求している。大陸から日本の兵隊や民間人を急いで帰したのも、蒋の軍隊が百戦百敗した強力な支那派遣軍を刺激せぬためだ。多くの罪もなき日本人を戦犯裁判で処刑したのも蒋の政府である。
本書は、中国近代史を作りあげ、後に神格化された孫文、毛沢東の実像にも迫り、中国文明の本質を明らかにしていく快著である。
第一章 次男・蒋緯国遺書の怪
第二章 蒋介石と日本
第三章 蒋介石伝説の謎
第四章 蒋介石の死敵
第五章 天下人への蒋介石版「我が闘争」
第六章 国共内戦
第七章 蒋介石の危機と運命