戦後教育改革半世紀 世界をリードする日本へ
せんごきょういくかいかくはんせいき せかいをリードするにほんへ
髙橋 史朗 たかはし しろう/著
昭和25年兵庫県生まれ。早稲田大学大学院修了後、米国に留学。スタンフォード大学フーバー研究所客員研究員となる。帰国後、政府の臨教審専門委員、明星大学教授および戦後教育史研究センター長に就任。その後、埼玉県教育委員会委員長、男女共同参画会議有識者議員等を務める。現在、麗澤大学特別教授、モラロジー道徳教育財団道徳科学研究所教授。
定価 本体 2000円(税込 2200円) ISBN 978-4-905410-79-9 判型・頁数 四六判・並製・288頁 発行 2025年3月31日 |
 |
教育一筋の人生を歩んできた著者が描く
「戦後」克服の軌跡と日本教育の新たな展望
「戦後とは何か」という疑問を解き明かすため、いざ米国へ。占領文書研究に臨み、教育改革の一歩を踏み出す。
戦後教育、臨教審、歴史教科書問題、いじめ、学級崩壊、感性教育、教育基本法改正、児童虐待、親学……。
七十余年の人生を振り返り、日本教育の新たな展望を明らかにする。
◉目次
第一章 戦後史の検証を決意した理由
- 学園紛争と川口君虐殺事件
- 「戦後」への疑問
- 教室に響き渡った早稲田大学校歌
- 占領史研究の予備調査
- アメリカ留学の出発にあたって
第二章 占領文書二四〇万ページ研究に臨んだ米国留学
- WGIPの原文書の発見と占領史研究の歩み
- WGIP策定に至る経緯―対日心理作戦との連続性
- ボナー・フェラーズ文書に見る対日基本心理作戦
- 対日占領教育政策の狙いは「日本人の再教育・再方向づけ」
- GHQ内に潜んでいた共産主義者
- WGIPの実践モデルとは「軍国主義者」と「国民」の架空の対立
- 私が臨教審の専門委員に選ばれた理由
- 教育基本法は、教育勅語を否定していない!
- 「戦争犯罪」を理解させるために共産主義者を利用したGHQ
- WGIPの今日への影響
- 「友好的日本人」と羽仁五郎
- 日教組はいかにして誕生したか
- 見捨てられた「友好的日本人」
- 私の占領史研究に注目した三名の人物
第三章 臨教審・民間教育臨調が目指した教育基本法改正
- 香山健一氏との定期的な「戦略会議」と文部省の反発
- 「和と多様性」をめぐる臨教審議論
- 『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』の教訓を臨教審に問う
- 「自由」の意味と「和の精神」を問い直す
- 「一筆一人を誅し、一筆姦権を誅する」という創造的破壊
- 教育基本法の立法者意思
- 「不磨の大典」化した教育基本法
- 教育改革国民会議の発足と教育基本法改正を目指して
- 新教育基本法に関する私の提案
- 教育基本法改正議論を促進した「イギリスの教育改革視察」
- 教育基本法、遂に改正へ!
●国旗・国歌を指導する教育的意義
第四章 教科書誤報事件と歴史認識問題
- 「歴史認識問題」とは何か
- 「歴史戦」はいつから始まったか
- 慰安婦問題のきっかけは朝日新聞による誤報
- 中韓による「首相の靖國神社参拝」の外交問題化
- 朝日新聞との対決―日本の名誉を守るために
- 教科書事件とは何だったのか―教科書検定制度及び占領史研究の視点から
- 「内圧」を加えた日本政府・外務省の責任
- 真の友好とは
- 文部省とマスコミの責任
●これだけは知っておきたい「南京大虐殺」をめぐる歴史戦
第五章 いじめ・不登校を克服する感性教育
- 臨教審のいじめ論議
- いじめを克服する鍵は「感性」
- 大津市いじめ自殺事件と曽野綾子氏の問題提起
- 子供の味方になる「見方」
- 教育現場を全国行脚
- 悩める子供たちをどう救うか
講演録:教育再生―ナンバーワンからオンリーワンへ
講演録:私たちの問題として「神戸事件」を問い直す
●平和教育のパラダイム転換と「対話」の意義
第六章 師範塾と親学の提唱―主体変容の教育改革
- 師範塾と親学推進協会の設立
- 「研究」はあるが「修養」がない教員「研修」
- 大阪師範塾二期生・原田隆史先生の感想
- 親としての教育の必要性
- カリスマギャルママと豪田トモ監督との出会い
- 胎内記憶と誕生記憶に関する調査結果
- 科学的知見に基づき、体罰の是非を根本的に見直せ
- 「虐待の連鎖」から「感謝と褒め育ての連鎖」への転換
- 親になるための脳神経回路の発達
- 親学提唱の根拠
- 親子の情を深める親守詩
- 親学の全国的広がり
- なぜ親学推進議員連盟は解散せざるを得なかったのか
- 埼玉から全国へ広がった発達障害支援・親支援
- 発達障害の二つの成因
- 愛着形成とは何か
- 不運によって開かれたご縁
●「包括的性教育」「グローバル性革命」とは何か
第七章 世界をリードする日本へ
- 第四期教育振興基本計画に記された教育の目標
- SDGsの哲学を充足する神道
- SDGsを「常若」と捉え直す宗像国際環境会議
- 常若産業甲子園―世の中の役に立つ喜びを味わう生き方の提唱
- 日本社会に根差したウェルビーイングとは何か
- 親と教師のウェルビーイングを高めるために
- 選択的夫婦別姓論議に欠落している子供の視点
- 不易と流行のバランス
- 新しい教育モデルの創造を
●明星大学髙橋ゼミの思い出
髙橋史朗の歩み
著書等一覧
学会・社会活動
おわりに―吾が人生を振り返って