天皇と国民の絆―占領下の苦難を越えて
てんのうと こくみんの きずな/せんりょうかの くなんをこえて
勝岡寛次(かつおか かんじ)/著
明星大学戦後教育史研究センター勤務。歴史認識問題研究会事務局長。
主な著書に『抹殺された大東亜戦争』『明治の御代』など。
定価 本体1900円(税込2,090円) ISBN 978-4-905410-50-8 判型・頁数 四六判・360頁 発売 2018年10月 |
大東亜戦争後、6年半に及ぶGHQの占領政策は、我が国の歴史認識に多大なるダメージを与えた。この間、占領軍が断ち切らんとした「天皇と国民の絆」は、いかにして繋ぎとめられたのか?
占領下の検閲文書から、その謎に迫る。
「天皇と国民の絆」は、いつ、如何なる時代においてもこの国の存立の“要”であり続けてきたが、特に占領下といふ苦難の時代にあつてはさうだつた。天皇と国民が如何にしてあの苦難の時代を乗りこえたか。これは、未曾有の敗戦から再び起ち上つた民族の甦りの歴史として、永遠に語り継いでいかねばならぬ内容である。その後世に語り継ぐべき貴重な歴史的素材を、占領軍の検閲史料から多数見出し、提示することが出来たことは、筆者の深い悦びとするところである。
今上の譲位によつて新たな御代を迎へる日本は、天皇と上皇が並び立つといふ、近世以前の日本には普通に見られたが、近現代以降は誰も経験したことのない、新たな時代に突入することになる。さういふ時にこそ、我々は歴史の叡智に学び、新たな天皇の下でも「天皇と国民の絆」が微動だにしないやう、己が持てる限りの力を傾注しなければならない。
第一章 終戦の大詔と国体護持をめぐって
第二章 天皇と国民の絆
第三章 占領下の憲法と皇室典範をめぐる攻防
第四章 占領下の国体論争
第五章 昭和天皇の全国ご巡幸
第六章 ご巡幸の中止と昭和天皇のご苦悩
第七章 ご巡幸の再開と昭和天皇
第八章 講和条約と「おことば」をめぐって
第九章 昭和天皇と今上天皇
第十章 光格天皇の祈りと今上天皇の祈り
最終章 今上天皇の「おことば」の意味を考える