和歌に見る日本の心
わかにみる にほんのこころ
小堀 桂一郎(こぼり けいいちろう)/著
定価 本体3,500円(税込3,850円) ISBN 4-944219-23-7 判型・頁数 A5判・572頁 発売 2003年7月 |
「和歌こそは日本人の感情生活の最上の記録であり、和歌の歴史こそ即ち日本的情感の歴史である」という視点から、日本人が折に触れて詠んできた代表的な和歌を読み解く。
記紀万葉から昭和まで、時代を追いながら、歴史と和歌の味わい方を紹介した珠玉の大著。
『平成新選百人一首』の姉妹本になります。
口繪 小堀鞆音「柿本人麻呂像」「酒折宮連歌圖 雙幅」「檜垣嫗圖 雙幅」「六歌仙圖」「小野の雪・業平訪惟喬親王圖」「定家卿佐野渡歌意」
【「記紀」とは何か】
神武天皇の祝婚歌/伊須気余理比賣の警告の歌/日本武尊と筑波の道/應神天皇の國褒め歌/仁徳天皇の艶福と磐姫皇后の嫉妬/美女衣通姫と櫻の登場/雄略天皇の出現/無文字社會における歌謡の意味/佛教の渡来と文字文化への移行
【「万葉の世紀」の人々】
小倉山の鹿と蒲生野の遊臘/古代文化の頂點・白鳳時代/光輝の陰の部分・大津皇子/同・有間皇子辞世の絶唱/大嘗會の光景/歌聖柿本人麻呂/風景画畫山部赤人/山上憶良・家庭讃歌と男子の抱負/酒仙の學究・大伴旅人/大伴家持・戀愛三昧と晩年の悽惆/天平の朝廷と愛國詩人たち/防人歌と遊戯歌
【六歌仙と歌物語の段階】
「かな」の發明と和歌の復興/歌物語の性格・在原業平/不幸な戀人・小野小町/口碑・謡曲・類型説話
【勅撰和歌集の時代】
『古今集』の詩學・「歌の徳」の宣揚/時間秩序整合性への要求/紀貫之は下手な歌よみか/技巧・教養派と素朴・直情派/才女黄金時代・その前驅としての伊勢/才女黄金時代の一・紫式部と清少納言/才女黄金時代のニ・赤染衛門/才女黄金時代の三・和泉式部/三代集の繁榮と歴代天皇/多少の新風・『後拾遺集』/『金葉集』『詞花集』の中の華/平安朝の黄昏・『千戴集』/時代の轉換の豫兆・『山家集』
時代精神といふこと/『新古今集』と藤原定家/後鳥羽院の存在・至尊調の創始/式子内親王の寝姿/薄幸の才女達/想夫戀の歌人・建禮門院右京大夫/高僧達ー慈円・明惠・道元/『金槐集』の帝王的風格/至尊調の系譜その後/吉野調悲歌・『新葉和歌集』/宗良親王の詩魂・『李花集』
戦國武将達のたしなみ/多胡辰敬の實用教訓歌/連綿、不朽の至尊調/後水尾院の憤激/後水尾院の皇子達/泰平の世の君徳/國學者達と歌道-契沖・春満・眞淵・宣長他/桂園派の雅びと上方の歌壇-蘆庵・景樹他/江戸後期の生活派歌人達-良寛・元義・言道・曙覧/幕末志士達の憂國の述志-孝明天皇・松陰・象山・玄端他
至尊調の高まるきはみ/「皇后調」と史上空前の詩人天皇/大世界に生きる人々-岩倉・三條・山縣・乃木/浅香社の新風とその展開-直文・薫園・紫舟・牧水他/新詩社、『明星』から『スバル』へ-鐵幹・晶子・白秋・勇・啄木・鴎外他/竹柏園の門流、『心の花』の人々-信綱・順・利玄/根岸短歌會の人々、『アララギ』の發祥-子規・左千夫・赤彦・百穂/傑出した個性の三人-節・八一・茂吉
おほみうた/國難到来の前夜-九鬼・南原・太田他/世界動乱の最中に-折口・山川・窪田・保田・影山他/昭和の防人とその妻たち-『英霊の言の葉』・『この果てに君ある如く』他/小春日和-順・茂吉・勇