アメリカの歴史教科書が描く「戦争と原爆投下」—覇権国家の「国家戦略」教育
アメリカの れきしきょうかしょがえがく せんそうと げんばくとうか/はけんこっかの こっかせんりゃくきょういく
渡邉 稔(わたなべ みのる)/著
定価 本体1,400円(税込1,540円) ISBN 978-4-944219-55-1 判型・頁数 四六判・172頁 発売 2007年5月 |
広島・長崎への原爆投下は正しい選択だったと胸を張り、その惨禍にも平然としているアメリカ人の考えは、どこから来るのか。日米の基礎教育で実際に使われている教科書を題材に、両国の歴史教育を比較。
両国の教科書の違いは、驚くべきもので、日本が国家戦略や軍事に関する国民教育を、臆病なほど避けていることが理解できる。「戦争と原爆投下」について、戦略的思考を養うアメリカの記述に対し、依然として日本の教科書は、客観的な情報さえ、満足に与えていないことが一目瞭然だ。
・原子爆弾の威力・罪のない30万人以上が殺害された ・日本による核報復を恐れる欧米・日本人の勘違いー変わらない米国・スポーツ界に垣間見える「人種差別」 ・「日本への原爆投下は不要だった」・欧米が見た日本人・連合国軍の残虐性について世界にアピールすべき
・原爆投下に対する一般米国民の理解度 ・ドレスデン無差別爆撃 ・「開戦前夜」と「真珠湾攻撃」 ・戦略的思考を養う歴史記述 ・「日系人の強制収容」と「死の行進」 ・日米戦についての情報量に格段の差・兵役志願を鼓舞・犠牲者推測数を水増し・広島と長崎―「責任は日本の軍部指導者にあり」・相手国を支配するための歴史教育
<小学校社会科用教科書>
・対外戦争が行われた「背景」を教えない『社会6上』
・中国・朝鮮寄りの記述が多い『社会6年上』
<中学校社会科用教科書>
・原爆投下容認論を刷り込む『新しい社会 歴史』
・米軍の無差別爆撃の問題点に触れない『中学社会 歴史的分野』
コラム① 米国の教師用指導書は「原爆投下」をどう扱っているか
コラム② 山梨県立博物館の展示と空襲を記録した書籍