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エドワーズ博美 読者の皆様へ

離婚を考えている人へ

この本を手にしているあなたは、ひょっとして結婚生活に嫌気がさして離婚を考えているのかもしれません。
でも、ちょっと待って下さい。少なくとも、この本を読み終えるまで最終結論を出さないで下さい。
「不幸せな結婚生活を続けるより、離婚した方が女性は幸せになれる」――誰もがこう思い、なぜか根拠もないのにそれを信じてきました。

アメリカ価値研究所の学者たちはこの通説に、ノーという答えを出しました。
1980年代のアメリカで、「自分の結婚生活は不幸せだ」と思っていた人に5年後、聞き取り調査をしたところ、5年間に離婚した人の大半が後悔し、「離婚して幸せになった」と答えた人は僅かでした。一方、「不幸せ」と思いながらも、離婚を思いとどまった人の2/3以上の人が、5年後には幸せになっており、「非常に不幸せ」と答えた人でさえ、その8割は5年後の調査では「幸せだ」と言っているのです。

何が「不幸せな結婚生活」を「幸せな結婚生活」へと導いたのか、その答えは、この本の中にあります。
ひと昔前までの離婚の理由に、「性格の不一致」なんていうのがよくありました。でも、これほど不可解な理由はありません。大体、生まれも育ちも違う二人の人間の性格が一致すると思う方がどうかしているのです。
自分自身が何者かさえ分からないのに、他人のことなど理解できるはずもなく、そんなに簡単に理解できれば心理学者は廃業しています。

思い込みパワー

私の夫はアメリカ人で、長身でスタイルもまあまあで、「優しそうなご主人ね」などと言ってくれる人もいますが、外見に似合わず短気な面があったりもします。
どんな結婚生活にも、山もあれば谷もあります。結婚して数ヶ月もすれば、あばたがえくぼに見えなくなってきます。
その時どうするか、どうやって谷から這い上がることができるか。この本には、そうした時の事例がいくつも紹介されていますが、私からひとつ提案したいのは、思い込みパワーです。ただの思い込みかと思われるかもしれませんが、この思い込みパワーが侮れないのです。

アメリカの心理学者の中には、この思い込みパワーを生涯研究して、心理療法まで確立した人もいるくらいで、立派な科学なのです。彼ら心理学者は、「人の感情は、我々が経験する出来事に左右されるのではなく、起きた出来事を我々がどのように解釈し、どう思い込んでいるかによって決まる」と言っています。

「幸せな結婚」のためにはまず、アメリカ価値研究所の学者たちが結論付けたように、「結婚は、社会にとって善である」、「結婚生活を続け、子育てをするということは、社会貢献に匹敵する、いやそれ以上に崇高なことだ」という事実をしっかり理解することから始めて下さい。

次に、夫のあばたが気になるときは、「もし夫がいなかったら……」と考えてみることです。
前述したように、私の場合、夫がいなければ今この世にいないかもしれません。家もないし、子供もいないでしょう。

私は結婚した後、快く子守を引き受けてくれた夫に子供を預けて、大学、大学院と行きましたので、夫がいなければ、今の学歴もなければ、今の仕事もしていないでしょう。
リストを挙げればきりがありません。そう、「今の自分があるのは夫のおかげだ」と思い込むことです。
こうして結婚生活のポジティブな面を並べていくうちに、夫のあばたなんて、少々あっても気にならなくなるものです。
気にならなくなれば、感謝の思いが湧いてきます。感謝があるからこそ、結婚や人生を幸せだと思えるものです。これは追跡調査の結果、明らかになった事実でもあります。

思い込みパワー、すなわちポジティブ・シンキングが、人を幸せにもし、不幸にもするのです。娘の造語を借りると、「チョベリポ」(超 very positive)の精神です。

あなたも、本書を通じて、結婚と離婚、母性に関するアメリカの最新研究を理解し、このチョベリポ精神で幸せな結婚生活を手に入れて下さい。

『独身者は損をしている―財産を築き、健康を維持し、子供の非行を防ぐ「家族」という仕組み』