下村博文 『教育激変』刊行に寄せて

『教育激変』刊行によせて

教育基本法をこのように改正すれば、
教育は必ず良くなり、子供たちも輝き、
日本もきっと甦る

下村博文
下村 博文

衆議院議員・前文部科学大臣政務官

「ゆとり教育」ならぬ「ゆるみ教育」で急速に低下する学力水準、14万人を超える不登校児、いじめ・校内暴力など教育の現場は荒廃している。そして残虐な少年犯罪が新聞を賑わすたびに、子供たちの将来はどうなるのか、このままでは日本の明日は危うい――。そのような憂慮を共にする国会議員とともに、五十年先、百年先の日本の姿を想定して現在の教育理念を根本から立て直すべく超党派の国会議員連盟「教育基本法改正促進委員会」を設立したのは、平成16年2月のことであった。

この国会議員連盟は、最高顧問として自由民主党からは森喜朗前首相に、民主党からは西岡武夫元文相にそれぞれご就任いただき、平成18年2月現在、加盟議員数は380名を数える。
国会議員の過半数が教育基本法改正を支持している事実を、国民の皆さんには是非知っていただきたい。

私共国会議員連盟は設立すると直ちに、「日本の教育改革」有識者懇談会(会長、西澤潤一首都大学東京学長。通称「民間教育臨調」)とともに、あるべき教育基本法案の検討に着手し、平成16年6月までに「新教育基本法の大綱」を作成した。

その後も、本議連の岩屋毅事務局長のもとで「大綱」をベースに議論を重ね、翌平成17年春、京都大学の中西輝政教授に依頼して、美しい日本語による「骨子案」を作成していただいた。

その「骨子案」が、同年10月28日に開催された本議連の総会において了承されたことを受けて、本格的な法案化作業のため議連内に「起草委員会」を新設し、私がその委員長を拝命した。起草委員会では、本書に登場する国会議員を中心に、「民間教育臨調」と「日本会議」(会長、三好達元最高裁長官)のメンバーや衆議院法制局にも協力を仰ぎながら、計14回に及ぶ討議を行った。

国会審議の合間を縫って時間を捻出し、ときには討議が白熱して深夜に及んだこともあった。

しかもそのテーマは、本書をご一読いただければお判りのように、これからの日本の学校教育のあり方のみならず、世界の中の日本の価値、世界に通用する日本人のあり方、宗教的情操と死生観、伝統・文化の継承と地域のお祭りの役割、行政による子育て支援のあり方、教育に対する親の責任、婚姻と家庭、家庭と学校の連携、都市と農村の交流、私学の振興による学校選択肢の拡大、教育に対する学校・地方自治体・国の役割分担――など多岐にわたった。

徹底した議論を積み重ね、「新教育基本法案」を作成することを通じて、私達は党派を超えて、「教育基本法をこのように改正すれば、教育は必ず良くなり、子供たちも輝き、日本もきっと甦る」という、将来の向かっての一定のビジョンを共有できたのではないかと思う。

教育基本法改正に関する国会審議も間もなく始まる見通しである。

もちろん国会で審議される政府案は、自民党と公明党の与党協議において検討されている「教育基本法改正案」がベースとなるであろうが、「本議連の教育基本法改正案ならば、我が国の教育をこのように変えていくことができる」という私達の提案が、国会の教育基本法改正論議を大きく前進させることを心より願ってやまない。

明日の日本を担う子供たちのために学校、家庭、地域社会、国はいかに変わっていくべきなのか。子供をお持ちの皆さん、教育関係者のみならず、すべての国民の皆さんが、本書を通じて共に考えていただければ幸いである。

『教育激変 新教育基本法案がめざす「家庭」「学校」「日本」の10年後』